3/4、『三菱電機・霧ヶ峰ブランド体験会』に参加した
家電も好きなjakeです。
さる3月4日、都内某所で開催された三菱電機のイベントに行ってきましたのでレポートします。
1言でまとめると?
自信たっぷりに宣伝してる霧ヶ峰アドバンスの名は伊達じゃない。
それだけの自信と裏付けがあっての名付けだった。
霧ヶ峰?
三菱電機が販売する家庭用エアコンのブランド名です。
歴史はかなり古く、半世紀近い歴史があります。
会場にも歴史を紹介するパネルがありました。
現物は見たことがなくても、昭和モノのドラマとかにちょこちょこ写り込んでる室内機は、もしかしたら見てるかもしれません。
新しい霧ヶ峰?
今回の発表では、2機種が発表されました。
- FZ
- FL
この2機種です。
新しい霧ヶ峰のどこがすごいのか?
FZのすごいところ
「原理は同じだけど、そこからできたのはほぼ別物」という表現が当てはまる気がします。
家庭用エアコンであることは事実です。ヒートポンプを使っていますし、冷媒にフロンを使いますし、室外機と室内機でセットなのも一緒です。
ただ、今までのエアコンと比べるとだいぶ、その構造は変化しました。
- 送風ファンが筒型1本→換気扇のような平型ファン2台になった
- 熱交換器のレイアウトがC字からW字になった。
- ファンとモーターを完全オリジナルで新作した。
- 熱センサ「ムーブアイ極」を搭載して、誰のどこに冷暖房を集中させるか判断するようになった。
モノづくりの業界に少し関わってた身としては、この変化の早い時代に7年も開発期間を用意出来た三菱電機の度胸と体力にも驚きました。 1年も待てない、いますぐ結果を出せ!というとこ、少なからずあるでしょうし。
わざわざファンを新しく作った
三菱電機では扇風機も作っています。
なので、外見をぱっと見た時に「扇風機を頭に載せたエアコン」という風に見えてました。
……けど、実際は違った。
ファンも厚さと大きさと風量の要件を満たすために専用に開発したというのです。 すごい手間がかかってる。しかも内製。
素人目では「そういうのファン専門メーカーのが得意なんじゃないか?」と思うんです。
ノートPCとか、部品のサプライヤーと連携して特注の薄型ファンを入れたり、ガラスの薄い液晶パネルを作ったりしてるし。
だけど、あえて内製した、というのがすごいな、と。
製作にすごく苦労しました!といいながら、3分クッキングばりにあっさりと見せてもらえたファン本体。
ファンの造形もそうですが、ファンモーター、周囲の輪っか(ハウジング)も全部このための新作です。
更に言うと、普通とは防振ゴムの取り付け位置も変更されています。
スパコンでシミュレーション……ではなく、地道な実験で答えを見つけたという。根気の逸品です。
モーターも作った
ファンを駆動するモーターも内製だそうです。 限られた体積で風量を増そうとしたら、自然とモーターを小さくする方向になったと。 解体して見せてくれましたが、全然大きさが違いました。
で、以前はモーターに内蔵していた半導体(たぶんモータードライバIC)が入らなくなったんだとか。 確かに見た限り、体積は半分くらいでした。 元々は冷却も考慮したうえでこのレイアウトだったようです。
制御基板にモータードライバも押し込んだ
モーターの小型化で追い出されたモータードライバは、制御基板に押し込まれていました。 これは内製……というのは理解できます。 各社で特徴とする機能が違うし、他社だとムーブアイは持ってない。 パソコンのマザーボードみたいに共通規格もないですから、専用品が作られるのは至極当然かな、と。
黒い部分がヒートシンクです。
たぶん、その下がモータードライバ。
すごいと感じたのは、発熱がありそうなモータードライバを入れても放熱に不利な密閉型を貫いたこと。 こういう電子機器って、熱にすごく弱いんです。 半導体も耐えられる限界があるし、コンデンサも温度が高いほど寿命が短くなる。コンデンサが劣化すると電源が不安定になって動作しなくなる。
「エアコン解体ショー」という自信の現れ
マグロの解体ショーのように、目の前で霧ヶ峰をバラして商品開発の苦労ポイントなどを解説するという「エアコン解体ショー」がイベントに組み込まれていました。
メーカーの技術者二人組で、鮮やかに解体されるエアコンというのは、なかなかに興味深いものでした。
一番重要なファンの部分をあっさりバラバラにしてガッツリと説明し、しかも写真撮り放題。大盤振る舞いです。
なにより、最新型のエアコンをバラしながら中身を解説するということに驚きました。 報道関係者も多数いたし、個人ブロガーも数十人いました。 あちこちのアングルからありとあらゆる写真が撮られました。
海外メーカーに真似される恐れはないのか?と心配になります。 おとなりのCとかKとか、パクるの早そうじゃないですか。
ムーブアイ極、今までとの違いがわかりやすすぎる
解像度が4倍になって、「どこに人がいる」から、「誰のどこが寒い/暑い」までわかるようになったとのことです。
会場でわかりやすいデモがありました。
どちらが新型でどちらが旧型か、一目瞭然の違いです。
しかもコレ、実際のセンサーを使ってデモが行われていて、リアルタイムに動いていました。
左手の手のひらを前にだして、右手でカメラを構えて撮影しましたが、見事に反映されています。
FLのすごいところ
「デザインありきで開発されている」というのが最大の特徴です。
-コンセプトデザインそのまんまのデザインで製品を作っている。 -エアコン下部のフラップを見せない仕立てになっている。 -霧ヶ峰の特徴であるムーブアイが格納式で、必要なときだけ出てくる。
コンセプトデザインと製品が並んでたんですが……センサーが見えてる以外はほぼコンセプトデザインと製品が一緒なんです。
センサーも思ったより目立ちません。 電源を切れば収納されるので、余計に目立ちません。受光窓が白いのが惜しいですが、センサーの都合なんでしょう、たぶん。